2018年2月27日火曜日

『新・生産性立国論』デービッド・アトキンソン著を読んだ

今回もアトキンソン節が炸裂です。

前著までは「誤解しないでくださいね。私はデータと根拠を示していますから、感情的な反論はしないでくださいね」と一応は低姿勢を装っていたが、今回は、データと根拠に基づかない反論は徹底的にバカにしていて痛快だ。
「頭の悪い人お断り」というスタンスだ。


『しかし、届けられる意見のあまりの辛辣さと経済に対する極端な誤解に、驚きの念を隠せないというのが本音です。特に50代以上の方からの厳しい意見が多いことが気になっています。』

『子供も作らず家で家事だけやっているのは、(中略)ある意味において、脱税と同じ犯罪行為です』
⇒65歳以前にリタイアしている私も犯罪行為をしているのかなと、ギクッとしました。

その他、経営者を『無能』と断じたり、中小企業は高い賃金を払えないのであれば淘汰されるべきといったり。
一番はっとさせられたのは

『「生産性=1人あたりのGDP」なのは「世界の常識」で、それをわざわざ書く必要はないと思い、本(前著のこと)の中ではあえて生産性の定義を書かなかったのです。』
 というところ。

本の中にも出てくるが、日本の「生産性」は1960年代後半から、2001年くらいまでは米国を上回っていたんですよね。それが、最近、韓国にも抜かれたとか。

個々の労働者がどうすべきということはあまり書かれておらず、経営者や国策についての提言がほとんどだが、一部、個々の労働者に向けた提言がありました。


『働く目的を明確に「より高い付加価値を生み出し、より高い給料を稼ぐ」ことに置くべきです。』

⇒私も同意見ですが、仕事に見合った高い給料をもらっていないと感じたので、リタイアしたんですよね。